
マット菌とは? ~強いチームは「肌」も整える。格闘家を悩ませる「マット菌」の正体と対策~
こんにちは、院長の青山真緒です。 本日は、格闘家にとっては身近な脅威でありながら、一般にはあまり聞きなれない「マット菌」についてお話しします。
この問題は格闘技の選手だけでなく、マットを使用するスポーツ全般に関わるものです。お子様を体操教室やリトミックに通わせている親御様にも、ぜひ知っておいていただきたい内容です。
「マット菌」は非常に感染力が強く、家族やチーム内でまたたく間に広がってしまいます。その特徴と対策について、ぜひご一読ください。
マット菌の正体
「マット菌」とは、スポーツ現場で使われる俗称(愛称)です。そう聞くとなんだか可愛らしい響きですが、その実態は全く可愛くありません。選手にとっては、積み上げてきた努力や目標を揺るがしかねない、非常に厄介な存在です。
その正体は、トリコフィトン・トンズランス(Trichophyton tonsurans)という白癬菌(カビ)の一種です。 レスリング、柔道、ブラジリアン柔術などの格闘技はもちろん、お子様たちの体操教室などで使用されるマットを介しても感染します。
忍び寄る「無症状」の恐怖
この菌の最大の特徴は、「かゆみなどの自覚症状が出にくい」ことです。 「ただの湿疹かな?」「あせもだろう」と油断しているうちに、菌は頭や首、体へとじわじわ広がります。そして気づかぬうちに、組み合った相手や大切な家族へと感染を拡大させてしまうのです。
主な症状
- 体(からだ)
淡いピンク色のカサカサを伴う発疹。縁が赤く盛り上がり、中心が治っているように見える「わっか(環状紅斑)」が特徴です。 - 頭(あたま)
フケやかさぶたのような軽い症状から、膿が出て脱毛に至る重症例まであります。
感染を防ぐ3つのポイント
1. 稽古後は15分以内にシャワーを!
菌が皮膚の角質層に定着するには、少し時間がかかります。練習後、可能であれば15分以内に、抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩など)配合の石鹸で丁寧に洗い流すのが、最も効果的な防衛術です。
2. 道着の「生乾き」は菌の温床
菌は温かく湿った場所を好みます。道着やラッシュガードをバッグに入れっぱなしにしていませんか?洗濯時は酸素系漂白剤を併用し、天日干しや乾燥機で芯までしっかり乾かしましょう。道具の管理も立派なトレーニングです。
3. 「わっか」を見つけたら、すぐ皮膚科へ
日頃から鏡で自分の体をチェックしましょう。
- 中心がカサカサし、周りが堤防のように盛り上がった「わっか」がある
- 頭皮の一部がフケのように剥けている これらはマット菌のサインかもしれません。
「あれ?」と思ったら、すぐに受診してください。
★小さなお子様をお持ちの親御様へのお願い★
お子様の着替えの際に、背中や首元に丸い赤みがないかチェックしてあげてください。
最後に:チームのために「休む勇気」を
もし感染がわかっても、ショックを受ける必要はありません。適切な治療(塗り薬や飲み薬)で必ず治ります。
一番大切なのは、完治するまで「練習を控える」という勇気を持つことです。それが結果として、チームを感染から守り、全員がベストコンディションで試合に挑むための最短ルートになります。
清潔な肌と環境で、心置きなく強さを追求していきましょう!!
【格闘技・コンタクトスポーツに携わる皆様へ】
亀戸皮膚科青山クリニックでは、試合前のメディカルチェック対策をはじめ、チーム内での感染拡大予防に関する指導・教育のご依頼を承っております。
また、格闘家特有の症状である耳介血腫(耳の腫れ)に対する血抜き処置なども可能です。
現在も以下の現場において皮膚管理の専門的な指導を行っております。
- 都内強豪レスリングチーム
- 都内大学レスリング部
- プロ総合格闘家(MMA選手)
「チームから感染者を出したくない」「試合前の皮膚コンディションを万全にしたい」という指導者・選手の皆様、どうぞお気軽にご相談ください。
亀戸皮膚科 青山クリニック 院長
青山真緒
Mao Aoyama
亀戸皮膚科 青山クリニック
〒136-0071 東京都江東区亀戸6-31-6 KAMEIDO CLOCK 4階
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